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ニュースリリース

2012年

2012年6月22日

愛知県内市町村における地震・津波防災対策見直し状況アンケート調査結果
―東海・東南海・南海地震を新たに想定、避難所収容力などに課題―

愛知県内を中心に、地方自治に関する調査研究を行う愛知地方自治研究センター(名古屋市熱田区、理事長:今川晃)は、今年3~4月にかけて、愛知県内54市町村を対象に「東日本大震災を踏まえた愛知県内市町村における地震・津波防災対策の見直しに関する調査」を実施しましたので、その結果をご報告いたします。
【調査結果のポイント】
  • 東日本大震災以降、県内市町村で広く地震・津波防災対策の見直しが進められ、35自治体が東海・東南海・南海地震を想定地震に追加すると回答した。
  • 震災前と比較して、実施率(実施見込を含む)が大きく増加した取り組みとして、業務継続計画(BCP)の策定、住民参加型の津波避難訓練・小中学校での津波避難訓練の実施、津波避難場所・避難所の指定が挙げられる。
  • 市町村が指定する避難所の収容力(率)は居住人口の11.6%で、人口の多い自治体ほど収容率が低くなる傾向がみてとれる。
  • 福祉避難所の設置を予定している自治体は3分の2にとどまる。
  • 災害時要援護者の現状把握は多くの自治体が取り組んでいるが、要援護者の避難手順の策定や避難訓練の実施は未実施の自治体が多い。
  • 津波避難ビルを津波一時避難場所に指定する自治体の半数が想定される津波避難者に対する施設の収容力が不足していると回答した。

ニュースリリース本文(PDF)

【調査結果の概要】

Ⅰ 地域防災計画の見直し

  • 震災後、15自治体が国や県の計画・被害想定の修正を待たず、独自に地域防災計画を見直し
  • 震災前、40自治体が東海・東南海地震、32自治体が東海地震、28自治体が東南海地震を想定し、地域防災計画を策定
  • 震災後、35自治体が東海・東南海・南海地震を想定地震に追加する方向で見直し

Ⅱ 地震防災対策の見直し

  • 43自治体の指定避難所の収容力(率)は人口の11.6%で、人口の多い自治体ほど収容率が低くなる傾向(人口1万人未満の自治体85.6%、1~5万人22.8%、5~10万人26.2%、10~20万人18.4%、20万人以上7.5%)
  • 福祉避難所の設置を予定している自治体は3分の2にとどまる
  • 庁舎、警察署、消防署などの指揮、情報伝達をする拠点建築物の耐震化率は83.0%
  • 震災前、庁舎機能を喪失した際の代替施設を確保していたのは20自治体で、震災前に代替施設を確保していなかった24自治体のうち、11自治体が未定、9自治体が取り組み予定なし、4自治体が取り組み予定
  • 震災後、28自治体が業務継続計画(BCP)の策定を検討(予定を含む)
  • 震災前、災害時要援護者の現状把握は40自治体(震災後43自治体が実施(見込))が取り組んでいたが、災害時要援護者の避難手順の策定は18自治体(震災後25自治体)、避難訓練の実施は24自治体(震災後28自治体)にとどまる
  • 震災前、帰宅困難者対策は34自治体(震災後35自治体が実施(見込))で実施されていたが、流入人口が2万人を上回る4自治体で未実施
  • 防災対策見直し上の課題は「人員の制約」が26自治体で最多、「住民の防災意識の向上と持続」と「国・県の対策が見直しの途上にあること」が24自治体

Ⅲ 津波防災対策の見直し

  • 19自治体が津波防災対策を実施し、うち内陸部の4自治体でも津波の河川遡上を想定して実施
  • 津波防災対策に取り組む19自治体のうち、8自治体が津波避難ビル、6自治体が高台にある公園・広場を津波一時避難場所に指定
  • 津波避難ビルを津波一時避難場所に指定する8自治体のうち、4自治体は施設数が不足している
  • 震災後、津波避難場所・避難所の指定(震災前31.6%→震災後78.9%)、住民参加型(47.4%→78.9%)・小中学校(36.8%→73.7%)の津波避難訓練、津波ハザードマップの策定(57.9%→73.7%)の実施率(実施見込を含む)はいずれも7割台に増加
  • ハード対策(津波避難路の整備、水門の自動化・遠隔操作化)の見直しは未定の自治体が多い
【調査概要】

東日本大震災から約1年を経た今年3月1日時点で、愛知県内の市町村の地震・防災対策がどのように見直されているかを把握するため、県内54市町村の防災担当部局に調査票を郵送し、今年3~4月に調査を実施、44市町村から回答を得ました(回収率81.5%)。

本調査結果の詳細は『東日本大震災を踏まえた愛知県内市町村における地震・津波防災対策の見直しに関する調査報告書』および「自治研あいち」第34・35合併号に掲載しています。

調査票(PDF)

<本件に関するお問い合わせ>

愛知地方自治研究センター
担当 : 研究員 野口鉄平(のぐち・てっぺい)
TEL : 052-678-3119
FAX : 052-678-3123